タイ移住の第一歩!まずはコレから。日本人に人気のタイ料理【初級編】

「タイに移住を考えているのですが、毎日の食事ってどうなりますか?辛いものが苦手でも大丈夫でしょうか?」

タイに関する情報発信をしていると、SNSでビザの次に多くいただくのが、こうした「食」に関する質問です。特にコロナ禍が明けてから、タイ移住を検討する人が本当に増えているなと感じます。

僕は今年タイに移住して15年目になりますが、タイに来た当初はトムヤンクンやグリーンカレー、ガパオライス程度しかタイ料理を知らず、レストランでメニューを見てもチンプンカンプン。「辛い」というイメージばかりが先行して、注文するのにドキドキしたのを覚えています。

でも、安心してください。タイ料理は「辛い・酸っぱい」だけではありません。甘かったり、香ばしかったり、日本人の口に合う優しい味の料理もたくさんあります。

今回は、移住を考えている皆さんがタイでの食生活に不安を抱くのではなく、大きな楽しみの一つとして捉えられるように、まずは失敗しない「鉄板メニュー」を僕の経験も交えながらご紹介していきますね。

カオマンガイ

タイ料理初心者の方に「まず何を食べたらいい?」と聞かれたら、僕が真っ先に挙げるのがこのカオマンガイです。

しっとりと茹でられた鶏肉と、その鶏の出汁で炊き込んだ風味豊かなご飯。これは、全く辛くありません。生姜やニンニクが効いた味噌ベースのタレ(ナムチム)をかけて食べるのですが、このタレも自分でかける量を調整できるのが嬉しいポイント。辛いのが苦手な方は、タレはほんの少しにして、鶏の出汁が染みたご飯と肉の味をシンプルに楽しむだけでも十分美味しいですよ。

お店によってはフライドチキン(ガイトート)とのハーフ&ハーフもできるので、気分によって選べるのも魅力です。迷ったらまずはカオマンガイ、と覚えておいてください。

パッタイ

日本でもお馴染みのパッタイ。米でできた平たい麺を、エビや豆腐、もやしなどと一緒に炒めた、タイを代表する焼きそばです。

味付けはタマリンドというフルーツのペーストがベースになっていて、甘酸っぱいのが特徴。これも辛さはなく、子どもから大人まで、誰からも愛される味です。テーブルに運ばれてきたら、添えられているライムをぎゅっと絞り、砕いたピーナッツをよく混ぜてから食べるのが現地流。

さらに、テーブルの上にある調味料セット(クルワンプルーン)で、砂糖を足して甘みを増したり、唐辛子で辛みを加えたりと、自分好みに「味変」するのもパッタイの醍醐味です。

クイッティアオ

タイの街を歩けば、必ずと言っていいほど見かけるのが「クイッティアオ」の屋台。いわばタイのラーメン的存在で、タイ人のソウルフードです。

スープは豚骨や鶏ガラベースのあっさりしたもの(ナムサイ)が基本で、辛くないのでご安心を。一番の楽しさは、そのカスタマイズ性。麺の種類が、極細麺(センミー)、細麺(センレック)、太麺(センヤイ)、バミー(中華麺)などから選べます。

注文するときは、まずスープありの「クイッティアオ・ナーム」を頼んでみましょう。そして、テーブルの調味料セットを駆使して、砂糖、ナンプラー、お酢、唐辛子を少しずつ足しながら自分好みの味わいを作り上げる。これがタイの麺文化の面白いところですよね。

米の麺はちょっと苦手…という方におすすめなのが、バミー。小麦と卵で作られた中華麺で、日本のラーメンの麺に似ています。

僕のおすすめは、汁なしの「バミー・ヘーン」。麺の下に隠れた甘じょっぱいタレと具材をよーくかき混ぜて食べる、まぜそばのようなスタイルです。これがまた、食欲をそそるんですよね。

ガパオライス

日本でもすっかり定着したガパオライス。鶏や豚のひき肉を、タイのホーリーバジル(ガパオ)と一緒に炒めたピリ辛の料理です。

この料理の良さは、なんといっても白米との相性。ガパオの香りとピリッとした刺激、肉の旨味がご飯と混ざり合うと、もう箸、いやスプーンが止まりません。

上に乗った目玉焼きの黄身を崩して絡めれば、味がまろやかになって二度美味しいんですよね。 ガパオは辛い料理ですが、注文時に「マイ・ペッ(辛くしないで)」と伝えれば、唐辛子なしで作ってくれます。移住生活で最初に覚えるべき、魔法の言葉の一つですね。

カオパット

メニュー選びに疲れたり、何を食べるか決められなかったりしたときの、まさに救世主。それがタイ風チャーハンのカオパットです。

日本のチャーハンとほぼ同じですが、ナンプラーで味付けされているのが特徴。具材は豚(ムー)、鶏(ガイ)、エビ(クン)などから選べます。「カオパット・ムー(豚チャーハン)」のように、シンプルに伝えればOK。

味付けは優しく、辛さもありません。付け合わせのマナオ(タイのライム)を絞ると、さっぱりとした風味が加わって、また違った味わいになります。どの食堂にも大抵あるメニューなので、僕も困ったときはとりあえずカオパットをよく頼みます(笑)。

ガイヤーン

ガイヤーンはタレにじっくり漬け込んだ鶏肉を、炭火で香ばしく焼き上げたタイ風のグリルチキン。特に東北(イサーン)地方の料理として有名です。

甘辛い味付けは、ご飯にもぴったり。これをもち米(カオニャオ)と一緒に手でちぎって食べるのが、最高に美味しいんです。スイートチリソースや、タマリンドベースの辛いタレにつけて味の変化を楽しむのもおすすめです。

ソムタム

ソムタムもイサーン料理の代表格。千切りにした青パパイヤを、唐辛子やライム、ナンプラー、干しエビなどと一緒に臼で叩いて和えたサラダです。

シャキシャキした食感と、甘くて酸っぱくて、そしてピリッと辛い味が一体となった、まさにタイ料理の真髄が詰まった一皿。

まずは、ピーナッツなどが入った一番ベーシックな「ソムタム・タイ」を、「マイ・ペッ(辛くしないで)」や「ペッ・ノイ(辛さ控えめ)」で注文してみましょう。これなら、爽やかなサラダとして美味しくいただけます。

トムヤムクン

世界三大スープの一つにも数えられる、言わずと知れたタイ料理の王様。エビ(クン)がゴロゴロ入った、複雑なハーブの香りと辛味、酸味が特徴のスープです。

「辛くて酸っぱいのはちょっと…」と敬遠する方もいますが、ぜひ一度は試してみてほしいですね。ココナッツミルクが入ったクリーミーでマイルドな「ナムコン」と、透明でキレのある酸味が特徴の「ナムサイ」の2種類があります。

初心者は、まず「トムヤムクン・ナムコン」から試すのがおすすめです。コクがあって、辛さが少し和らぎます。

もちろん、これも辛さの調整が可能。「ペッ・ノイ(辛さ控えめ)」と頼んで、自分に合う辛さを見つけるのも楽しいですよ。

プラーガポン・トート・ナンプラー

僕が複数人でシーフードレストランに行った時に必ず注文するのがこれ。テーブルがパッと華やぐこと間違いなしの豪快な一品。プラーガポンというスズキに似た白身魚を、丸ごと一匹カリッカリに揚げて、ナンプラーベースの甘じょっぱいソースをかけた料理です。

見た目のインパクトはすごいですが、味は全く辛くなく、とても食べやすいです。外側はサクサク、身は驚くほどフワフワ。この食感がいいんですよね。

これだけ覚えれば安心!注文で使える簡単タイ語&豆知識

タイ語が話せなくても、メニューの指差しといくつかの「魔法の言葉」で、食事のハードルはぐっと下がります。

これください → アオ・アン・ニー

辛くしないで → マイ・ペッ

少しだけ辛く → ペッ・ノイ

パクチーを入れないで → マイ・サイ・パクチー

スープあり → ナーム

汁なし → ヘーン

屋台や食堂のテーブルには、大抵「クルワンプルーン」と呼ばれる調味料4点セット(砂糖、唐辛子、ナンプラー、唐辛子入りのお酢)が置いてあります。料理が運ばれてきたら、まずそのままの味を楽しみ、それから少しずつこれらの調味料を足して自分好みの味に仕上げていく。これがタイの食文化の面白いところです。ぜひタイ流の味変にチャレンジしてみてください。

まとめ

今回ご紹介したのは、奥深いタイ料理の世界の、ほんの入口に過ぎません。でも、まずは今日挙げたような定番メニューから安心してスタートすれば、タイの食生活が怖くなくなるはずです。そして、少しずつ新しい味に挑戦していくうちに、きっとあなただけのお気に入りの一皿、お気に入りの食堂が見つかるでしょう。

ぜひ、タイの食文化を思いっきり楽しんでください!

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