タイへの移住が決まった! 新しい生活への期待に胸が膨らむ一方で、頭をよぎるのは「いったい、どこに住めばいいんだろう?」という大きな課題。これは、皆さんが通る道ですよね。
僕もタイに移住した15年前、同じように期待と不安を抱えながら家を探した一人です。最初はホテル暮らしも悪くないですけど、やっぱり早く落ち着ける自分の「城」が欲しいものですよね。
ただ、タイと日本では賃貸のルールや習慣が違う部分も多く、初めてだと戸惑うことも多いかもしれません。
そこで今回は、僕の経験も踏まえながら、バンコクでの家探しの全体像がしっかりと掴めるように、物件の種類からエリア選び、そして契約で失敗しないための注意点まで、順を追って分かりやすく解説していきます。
タイの賃貸物件の種類
まず知っておきたいのが、タイで外国人が借りられる賃貸物件には、主に4つのタイプがあるということ。それぞれの特徴を知って、自分の暮らし方に合ったものを選んでいきましょう。
コンドミニアム (Condominium)

コンドミニアムは日本でいう「分譲賃貸マンション」のこと。一部屋ごとにオーナー(大家)が異なり、その個人オーナーから部屋を借ります。
バンコクだと20階以上の高層物件は当たり前で、プールやジム、サウナ、24時間体制の警備員といった共有施設が充実しているのが大きな魅力。しかも、家具や家電も一通り揃っているので、スーツケース一つで新生活を始められます。
注意点: オーナーが個人なので、インテリアのセンスや置いてある家具の質、そして水漏れなどのトラブルが起きた時の対応スピードに差が出ることがある。
アパートメント (Apartment)

建物全体を一つの会社や大家が所有し、賃貸に出している物件です。
アパートと聞くと、日本では、“マンションより安い物件”というイメージがあると思いますが、タイでは異なります。アパートでも低価格から高価格まで幅広く、特に日本人駐在員が多く暮らすスクンビットエリアでは、高級アパートが多数あり、見た目ではコンドミニアムなのかアパートなのか、見分けはつきません。
コンドミニアムとの大きな違いは、なんと言っても管理体制。受付にスタッフが常駐していたり、電気や水道の修理をしてくれる技術者が建物内に待機していたりすることが多く、何かトラブルがあった時の対応が迅速だから安心なんですよね。だから、特に小さなお子様がいるご家族におすすめです。
注意点:同じ家賃帯のコンドミニアムに比べると、共用施設(プールやジム)が充実していない場合が多い。ただし、スクンビットエリアにある家族向けの高級アパートでは、コンドミニアムより充実している物件も多い。
サービスアパートメント (Serviced Apartment)

その名の通り、ホテルのようなサービスが付いた賃貸物件です。週に数回の部屋の掃除やベッドメイキング、タオルやシーツの交換といったサービスが含まれているアパートのこと。
家具や家電はもちろん、食器や調理器具まで一通り揃っているので、本当に何も準備しなくても、入居したその日から快適な生活がスタートできるのが魅力。
最近ではスクンビットエリアを中心に、マリオットやアスコットなど高級ホテルチェーン系のサービスアパートメントが増えていて、選択肢が広がっています。
注意点:サービスが含まれる分、同じ広さや立地のコンドミニアムやアパートに比べて家賃は2〜5割ほど割高になるのが一般的です。
一軒家 (ムーバーン)

バンコクの中心部から少し離れた郊外には、「ムーバーン」と呼ばれるゲートで囲まれた広大な住宅地があります。その中にある一軒家を借りる、という選択肢もあるんです。
広い庭で子どもやペットをのびのびと遊ばせたり、友人を招いてバーベキューをしたりと、集合住宅では味わえない暮らしが実現できます。注意点:中心部から離れるため、車での移動が基本になります。また、セキュリティや害虫対策など、自分で管理すべきことが増える点は覚悟しておく必要はありますね。
日本人に人気のエリア徹底比較
住む場所によって、バンコクの生活は全く違ったものになります。まずは日本人に人気の定番エリアから検討するのが失敗しないコツでしょう。
迷ったらココ!スクンビットエリア

BTS(スカイトレイン)スクンビット線の駅で言うと、アソーク、プロンポン、トンロー、エカマイ、プラカノン、オンヌット、この6駅の周辺が、日本人が最も多く住むエリアです。
日系のスーパーやデパート、数えきれないほどの日本食レストラン、日本語が通じる総合病院、学習塾などがすべてこのエリアに集中してるんですよね。タイでの生活が初めての方でも、ほとんど不便を感じることなく暮らせるのがこのエリアの最大の魅力でしょう。
ビジネス街で暮らす シーロム / サトーンエリア

日系企業のタイ本社や各国の大使館が集まる、バンコク最大のオフィス街シーロム・サトーンエリア。BTSシーロム線とMRT(地下鉄)ブルーラインの両方が使えるため、交通の便は抜群なんですよね。
高層ビルが立ち並ぶ都会的な雰囲気ですが、一本路地に入ると落ち着いた住宅街やおしゃれなカフェ、緑豊かなルンピニ公園もあり、オンとオフを切り替えやすいのが魅力だったりします。
バンコクな家賃相場

家賃は場所や物件タイプ、広さ、築年数などで本当にピンキリですけど、バンコク中心部で日本人が住む場合の目安を掴んでおくと安心ですよね。
ワンルーム/ 1ベッドルーム (30〜50㎡): 15,000〜30,000バーツ (1バーツ約4.5円) くらいから。
2ベッドルーム (50〜100㎡): 40,000バーツ (約18万円) くらいから。中心部なら60,000バーツ〜が一般的。
サービスアパートメント: だいたい同じ条件のコンドミニアムの2〜5割増しくらいのイメージです。
一軒家: 郊外のムーバーンで50,000バーツ (約22.5万円) くらいから。
ちなみに、タイでは家賃交渉が可能な場合も多いです。特に2年以上の長期契約を条件にすると、少し下げてくれることもあるので、ダメ元でエージェントにお願いしてみる価値はあると思いますよ。
部屋探しはエージェントを活用しよう

探し方にはいくつかありますが、結論から言うと、タイでの家探しが初めての方は「日系不動産エージェント」を利用するのが安心。
バンコクには日本人スタッフが常駐する不動産会社が数十社あります。言葉に不安がある方は、こうした日系エージェントを利用するといいでしょう。
ただし、日系エージェントの多くは駐在員を主要顧客にしているため、家賃30,000バーツ以上の物件しか仲介してもらえない会社も多いのが実情です。 日系でもローカルでもタイでは借り主が仲介手数料を払う必要はありません。手数料は大家がエージェントに支払う仕組みなので、仲介料を請求するエージェントには要注意です。
不動産ポータルサイト

「Hipflat」や「DDproperty」といった不動産ポータルサイトで自分で探すこともできますが、これは少し上級者向けかもしれません。情報が古くて既に契約済みだったり、問い合わせても返事がなかったりするのは日常茶飯事。英語やタイ語での交渉力も必須になってきます。
内見から入居までの流れと5つの注意点

「ここに住みたい!」という物件が見つかったら、いよいよ契約です。
内見
必ず自分の目で、部屋の隅々までチェックしましょう。特に、シャワーの水圧、窓を閉めた時の外の騒音、家具や家電の状態、共用施設の実際の様子は、絶対に確認しておきたいポイントです。
申し込み
意思を伝えたら、「予約金」を支払います。契約すれば保証金の一部になりますが、もしあなたの都合でキャンセルした場合、このお金は返ってこないことがほとんど。なので、よく考えてから払うようにしたいですよね。
契約書サイン
契約書は英語かタイ語です。翻訳アプリやChat GPTを活用し、しっかり内容を理解してからサインするようにしてください。
初期費用支払い
一般的に、デポジット(敷金:家賃2ヶ月分)+前家賃(1ヶ月分)の合計3ヶ月分を契約時に支払うのが一般的ですね。
入居
鍵を受け取る際、大家やエージェントと一緒に部屋の状態を最終チェックします。この時、もとからあった傷や汚れ、家電の不具合などは、必ず写真や動画に撮っておきましょう。この記録が、退去時にデポジットを返金してもらうための何よりの証拠になります。
まとめ
タイでの家探しは、物件そのものを選ぶのと同じくらい、「信頼できる不動産エージェント」を見極めることが大切です。あなたのバンコクでの新生活が、楽しく、充実したものになることを祈っています。

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