僕がタイに移住してきた15年前、移動手段といえば「タクシー」がメインでした。BTSも今ほど路線が充実しておらず、どこへ行くにも、まず通りに出てタクシーやバイタクを捕まえる。それがバンコクの日常だったんです。
当時は僕も、毎日のように流しのタクシーに乗っていました。でも、今はどうか。正直に言うと、僕が流しのタクシーに乗るのは、年に1回か2回、本当に緊急の時だけになりました。
なぜか?
その答えはシンプルで、「乗車拒否」「メーターを使わない」「運転の荒い運転手」…こんなストレスフルな経験を、もうしたくないからです。
幸いなことに、2014年頃からバンコクには「Grab」という配車アプリがサービスを開始。今回は、僕たち在住者を悪徳タクシーのストレスから解放してくれた、この最強ツール「Grab」について、僕の経験を交えながら徹底的に解説していきたいと思います!
それでも流しのタクシーに乗るなら…最低限の心得

とはいえ、Grabが全く捕まらない時や、あまりにGrabの料金が高額な時間帯は、流しのタクシーに乗らざるを得ない状況もゼロではありません。その時のために、これだけは覚えておいてほしい「お作法」があります。
まず、タクシーを止めたら、ドアを開ける前に、窓越しに運転手へ一言。
「メーター、OK?」
これだけです。運転手が頷くか、「OK」と言ってくれたらドアを開けて乗り込みましょう。もし首を横に振ったり、値段を言ってきたら、笑顔でドアを締める。これが鉄則です。間違ってもイラッとしてドアを強く締めたりしてはいけません。トラブルになるだけです。
特に注意してほしいのが、空港と主要な観光地、そして歓楽街。スワンナプーム空港の公式タクシー乗り場や、有名なお寺、タニヤ通りなど歓楽街で客待ちをしているタクシーは、かなりの確率でメーターを使わず、ふっかけてきます。
先日も空港から乗ったタクシーに「高速代込みで700バーツ」と言われ、メーターなら半額以下なのに…とため息が出ました。今や、空港から市内へもGrabを呼ぶのが旅行者でも常識になりつつあるんですよね。
配車アプリ「Grab」が生活を変えた!

そんなストレスだらけだったバンコクのタクシー事情を、文字通り「革命」したのがGrabです。その理由は3つあります。
①価格の透明性
これが一番大きいですね。アプリで行き先を設定した瞬間に、料金が確定するんです。渋滞などラッシュアワーには料金が高くなることもありますが、それでもメーターの心配や「いくらって言われるんだろう…」というドキドキ感、面倒な値段交渉から完全に解放されました。
②安心・安全
迎えに来る車のナンバー、運転手の顔写真、名前、そして他の乗客からの評価が、全部事前にアプリで確認できます。これ、本当に画期的ですよね。万が一忘れ物をしても、アプリの履歴からすぐに連絡が取れます。
③圧倒的な利便性
炎天下でタクシーを探し回る必要はもうありません。自分が今いる場所まで迎えに来てくれるんですから。タイ語が苦手でも、行き先はあらかじめアプリで設定済みなので、運転手と話す必要もほとんどない。クレジットカードを登録しておけば、支払いはキャッシュレス。もう、完璧ですよね。
Grabは単なる便利なアプリというより、バンコクの交通文化そのものを、より良く変えてくれた救世主なんです。
Grab徹底解説① 配車サービスを使いこなそう!

Grabの基本は、もちろん配車サービス。でも、その選択肢がめちゃくちゃ多いのが面白いところ。僕がよく使うものを、シーン別にご紹介しますね。
JustGrab
「タクシー」か「一般の人の車(GrabCar)」か、車種は問わないから、とにかく一番早く来てくれる車を呼ぶモード。僕も普段はほとんどこれです。
GrabBike (Win)
タイ名物、バイクタクシーです。一人で近距離を移動する時や、どうしようもない大渋滞の時には最強の移動手段。車の間をスイスイすり抜けていくスリルは、一度味わうと病みつきになります(笑)。ただし、事故の危険性が最も高いのでご利用は自己責任で。
GrabCar Premium / SUV
ちょっと良い車で快適に移動したい時やJust Grabなど他の車種で捕まらない時に利用します。SUVは、雨季のスコールで道路が冠水した時に、車高が高いので心強い味方になってくれます。
GrabVan
大人数のグループで移動する時や、空港に行く時に便利。
Grab徹底解説② もはやインフラ!配車以外の便利すぎるサービス

今のGrabは、もはや単なる交通アプリではありません。僕たちの生活の全てを支える「スーパーアプリ」に進化したんです。
GrabFood (フードデリバリー)
今でこそ当たり前ですが、Grabが登場する前は、日本食のデリバリーなんて、ごく一部のお弁当屋さんに電話するくらいしか選択肢がなかったんですよ。それが今や、スクンビットエリアなら、ほとんどの日本食レストランの料理がアプリ一つで注文できる。この変化は本当に革命的でした。家にいながら、あのお店のあの一品が食べられる。最高の時代ですよね。
GrabMart (買い物代行)
これも、一度使うとやめられない神サービスです。スーパーやコンビニ、薬局からの買い物を、Grabのドライバーが代行してくれるんです。「あ、醤油切らしちゃった」「フルーツが食べたい!」なんて時にアプリで頼むと、1時間もかからずに届けてくれます。もう、自分で買い物に行くのが面倒になりますよ(笑)。
GrabExpress (メッセンジャー)
書類や友人へのちょっとした届け物など、バイク便で即時に届けてくれるサービスです。僕もオフィス間の書類のやり取りとかで、めちゃくちゃお世話になっています。ビジネスでもプライベートでも、本当に頼りになる存在です。
まとめ
思い返せば、昔はタクシーを捕まえるたびに、ちょっとした戦いでした。「乗せてくれるかな?」「メーター使ってくれるかな?」って。あのストレスフルな日々が、Grabの登場によって完全に終わりを告げたんです。
配車から食事、日々の買い物まで、今や僕のバンコク生活はGrabなしでは成り立ちません。
断言します。タイ移住後、あなたのスマホのホーム画面の一等地で、最も頻繁にタップされるアプリの一つが、この緑色のアイコンになることは間違いないでしょう。

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